九州が誇る陶器

有名な窯元が多い九州ですが、「九州の窯元」と聞いて多くの人は唐津や有田を想像するかもしれません。しかし実は秋月からアクセスの良い場所にたくさんの有名窯元があるのをご存知ですか? ここでは、日本の陶磁器を語る上では欠かせない3つの重要拠点をご紹介します。

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1.高取焼(たかとりやき) 1600年 - 1606年にまで遡る高取焼は、代々黒田家に愛用されていました。 もともと鷹取山の麓に窯を構えました高取窯でしたが、過去400年の間に幾度も移転を繰り返し今日の場所となりました。 世代から世代へと受け継がれる技術は健在です。

高取家の歴史を網羅した展示品の数々と、スタッフの豊富な知識は聞き入ってしまい時間を忘れてしまいそうになります。

高取焼総家では、今後多くのイベントを開催する予定とのことです。ウェブサイトやSNSでチェックしてみてください。

道順:現在、小石原川ダム建設に伴う国道500号の迂回期間中のためお越しの際はご注意ください。〒838-1602福岡県朝倉郡東峰村小石原鼓2511

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2.小鹿田焼(おんたやき) 300年前から生産方法はほとんど変わらない小鹿田焼は、焼き物だけでなく陶芸への取り組み方でも有名です。 谷川の水を動力源とする唐臼(大きな木製のハンマー)を使って土を砕き粘土を抽出するという製法が受け継がれており、小鹿田焼の里に一歩足を踏み入れると、どこかしこから繰り返される威厳ある心地のよい地鳴りが響き渡ります。

約10箇所の窯元で編成された焼き物の里はそれぞれに独自の窯と店舗を構えています。 しかし日本国内の他窯で見られるような個人名や窯元名の刻印はなされず、一貫して「小鹿田焼」と刻印されることも小鹿田焼ひとつの特徴です。

柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎、1954年に小鹿田に数週間滞在した英国の陶芸家バーナード・リーチといった人物たちとの関係も深い小鹿田焼は、器や皿、茶碗といった実用的な作品で構成されています。

道順:勾配のある曲がりくねった道を通る小鹿田までの道のりはちょっとした冒険です。冬季にはスノーチェーンが必要になる場合があるので天候にはご注意ください。〒877-1241 大分県日田市源栄町234

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3.小石原焼(こいしわらやき) 柳宗悦らが「用の美の極地」と称えたように、素朴かつあたたかな持ち味を生かしながら現代的な作風も取り入れる350年の長い歴史を持つ小石原焼。カンナの刃先を使い、規則的に小さな削り目を入れ、そこに鋭い模様を紡ぎ出す技法でも有名です。

現在、小石原焼は約50の窯元によって形成されています。それぞれが伝統的な技術と現代的な技術を組み合わせた個性豊かな焼き物を楽しむことができます。また「ちがいわ窯」の窯元の16代目である福島善三は、伝統的な技法に加えた独自の作風で高い評価を受けた重要無形文化財保持者です。福島氏は小石原の伝統的なスタイルだけでなく、赫釉(かくゆう)という小石原の粘土を釉薬に混ぜることで叶う「光らない赤い釉薬」の開発や、格式高い独特の淡い水色が特徴的な「中野月白瓷」など、多彩な技法で精力的に活動し、歴史ある小石原焼の文化的価値の底上げに多大なる貢献を果たした人物です。

道順:最寄りの駐車場で車を降り、窯元の地図を手にして時間の許す限り街並みと窯元をご堪能ください。〒838-1601 福岡県朝倉郡東峰村小石原941-3

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